背骨・骨盤矯正って何をするの?
骨盤とは体の土台にあって体をコントロールする部分です。骨盤が傾くと上に乗っている背骨が傾いてしまいます。大腿骨は骨盤と連結しているので、正面から見て骨盤が傾くとどちらかの脚に負担をかけて立つ・動くようになります。
また、下記の図のように横から見て骨盤が前傾すると反り腰になり、骨盤が後ろに倒れると猫背になります。このように骨盤は全身のバランスをコントロールするうえで欠かせません。
骨盤は産後にも影響します。赤ちゃんが生まれる前にリラキシンというホルモンが分泌されて骨盤を広げ、赤ちゃんが出てくる準備をします。このリラキシンは骨盤だけではなく、全身の関節を緩める効果があります。
骨盤が緩んだまま生活をしてしまい、正常な位置ではない状態で閉じてしまうと、体のバランスが崩れてしまいます。
背骨・骨盤にはたくさんの筋肉がついていて、体が傾くと筋肉のバランスが崩れてしまい、右にばかり症状が出たり、同じところばかり症状が出たりするということが起こります。
背骨の間からもさまざまな神経が出ており、骨盤が傾いて骨の間から出てくる神経が圧迫されると、神経の機能障害に陥り、しびれ、痛み、違和感、自律神経の問題につながります。
どのように矯正していくのか?
特殊ベッドを使い骨盤矯正
特殊ベッドで行う矯正は痛みがほとんどありません。骨盤、背中、首、肩、膝、足首などさまざまな部位を矯正できます。
矯正することで得られる効果は、体のバランスが整うこと、関節のかみ合わせが良くなり本来の関節の機能を取り戻して動きがスムーズになること、背骨の間から出てくる運動神経(体を動かすために使う神経)の機能が向上して体の動きがスムーズになること、同じく背骨の間から出てくる自律神経(内臓などを動かす神経)の機能が良くなることなど、さまざまな効果が得られます。
筋肉の調整
背骨や骨盤を矯正してバランスが良くなっても、周りの筋肉が硬くて柔軟性が悪かったら体を上手に動かすことができず、動作するたびに負担をかけて動くことになります。
筋肉が硬いと背骨や骨盤が施術前の位置に引っ張り戻されてしまいますので、それを防ぐために筋肉の柔軟性を取り戻す施術を行います。筋肉には持続圧を加えたり、筋肉の周りについている筋膜を伸ばすことによって柔軟性が向上するという特性があり、それとストレッチを組み合わせて施術を行います。
得られる効果は、骨盤や背骨の矯正効果を持続させること、筋肉ポンプ(筋肉が微妙に動くことにより血管を圧迫し、心臓のように血液を押し出す)による力の向上、老廃物を体外に排出できるようになること、筋肉の柔軟性が向上し動きやすくなることなど、さまざまな効果が得られます。
特殊ベッドで背骨を矯正して神経の通りを良くする
神経は脳からスタートして背骨の間から出てきます。背骨のところで圧迫されて信号が伝わらなくなると筋肉の動きが鈍くなります。
また神経は筋肉の近くを通過する場所もあるので筋肉で圧迫されることがあります。その場合は背骨の施術を行い姿勢を良くして、筋肉の柔軟性を取り戻すように施術していきます。
神経の通りが悪くなると、痺れ、痛み、知覚障害、筋力低下にもつながります。これらの特徴は神経が圧迫されている部分から離れた部位に症状が出ることがあります。症状がある場所にばかり目を向けても良くなりません。どこで圧迫されているのかを見極めるのも重要です。
この3点がバランスよく機能すれば、体は良い状態になります。
日々の体の使い方も大切
日々の生活の動作を変えるだけで、体の負担は大きく変わります。例えば、前かがみの体の使い方や肩甲骨の使い方を体に覚えさせると、体の負担が軽減されます。
その他に、重心の位置や歩行など、何気なくやっていることを見直していくのも大切です。これらの動作は日常生活において無意識に行っていることですが、再教育していくことで体の負担が大きく変わります。
セルフケアとしては、デスクワークなどの長時間の座り方や重いものの持ち方、腱鞘炎の方は物の持ち方や握り方などを工夫して実施していきます。
まとめ
骨格、神経、筋肉が正常に機能している状態、普段の生活で無意識に行われている体の使い方の再教育、日常生活動作の見直しの3つを重点的に行うと、体の機能が正常化して、日常生活を負担なく過ごすことができるので、QOL(日常生活の質)が向上していきます。
心の健康~セルフケア編~
健康は体だけではなく、心の健康も重要になります。
「いやいや、私は精神病じゃないから大丈夫だよ」
という声をいただくことがありますが、ここでいう心の健康はそういうことではありません。
例えば、夜寝るのが遅すぎるとセロトニンという脳内物質が出なくなり、心の健康が乱れます。寝られなくなると体が休まらず、頭痛、肩こり、腰痛などさまざまな症状が現れてきます。
私の知り合いに最近、朝起きられなくてお昼まで寝てしまい悩んでいるという人がいました。病院にも行ったみたいで、薬を処方されたらしいです。
「何時まで起きているの?」と聞くと「午前2時」との答えが返ってきました。「それは起きられないからもっと早く寝たら?」と聞くと「起きたら明日が始まってしまう!」
…返す言葉が無くなりました。
その人は体がだるい、うつ症状、ご飯が食べられない、頭痛がするなど、さまざまな不定主訴があったのです。
提案したのは、遅くても11時に寝て6時には起きる、朝日を浴びながらのストレッチです。
朝日を浴びると、セロトニン(幸せホルモン)というものが出てきます。加えて、ストレッチなどのリズム運動もセロトニンが分泌されます。セロトニンは夜にメラトニンに代わり、睡眠を促してくれるものになります。
もちろん他にも改善していく必要がありましたが、生活習慣を変えることにより意欲的になりました。体の気だるさ、うつ症状、ご飯が食べられない、頭痛がするなどの症状は無くなり、薬も飲まなくなったのです。
このように、心の健康が乱れる習慣を続けていると、体の回復力も低下します。自律神経を整える習慣、脳内物質を整える習慣を身に付けると、より健康になっていきます。
この記事の監修
石倉拓哉
柔道整復師 カイロプラクター
施術歴20年の経験豊富な技術でメディア掲載多数。同業者の推薦も多く、技術指導や外部で健康セミナーを開催して講師として参加する経験もある。マッサージなどのその場しのぎの方法ではなく「症状の原因を施術する」という体のバランスを見る骨格構造理論を基に根本から施術していき、お客様の口コミも数多い。