「ただの肩こりだろう」から発展する胸郭出口症候群
程度の強い肩こりを「しびれかな…?」と勘違いしている方は、実際とても多いと感じます。来院される多くの方が口をそろえて「最初は肩こりだったんだけど、徐々にひどくなってきたんだよね」と話します。肩こりとしびれは似ているようで、まったく別物のことが多いにもかかわらず、しびれ以外にも「力が入りにくい」「手が冷える感じがする」といった症状まで出て、慌てて病院に駆け込むケースも珍しくありません。
そもそも「ただの肩こりだろう…」と軽視してしまう方が多いのですが、肩こりは身体のバランスが崩れているサインです。胸郭出口症候群も、まさにこの“バランスの崩れ”によって起こることが大半です。
この記事では、肩こりとしびれの違い、胸郭出口症候群で特徴的に起こる症状、そして私が実際の施術の現場で感じている大切なポイントをお伝えします。悩まれている方は、ぜひ読み進めてみてください。
👉 胸郭出口症候群とはどんなものかのかな?と気になる方は[胸郭出口症候群のまとめページ]をご覧ください
しびれと肩こりの明確な違い
しびれと肩こりは同じ「不快感」でも、医学的にはまったく性質が異なります。
● 肩こりとは?(筋肉の問題)
-
筋肉の硬直や血流低下で起こる
-
「重い」「だるい」「張っている」という鈍い痛み
-
触ると筋肉が硬く、揉むとやや改善する
-
姿勢不良・長時間のデスクワーク・ストレスが原因になりやすい
● しびれとは?(神経の問題)
-
神経が圧迫または血流低下で栄養不足になった状態
-
「ジンジン」「ピリピリ」「電気が走る感じ」などの異常感覚
-
揉んでも変わらないか、むしろ悪化する
-
痛みより“感覚の異常”がメイン
胸郭出口症候群(TOS)で起こる“しびれ”の特徴
胸郭出口症候群のしびれは、ほかの疾患と比べても特徴的です。
● 腕を上げると症状が出やすい
-
ドライヤー
-
レジで袋詰め
-
洗濯物を干す
などでしびれ・腕のだるさが強まる。
● 小指側(尺側)にしびれが出るケースが多い
-
肘から小指側へジワッと広がる
-
ときに手の握力が落ちる
-
キーボード操作中にミスが増える
● 朝より夕方の方が悪化しやすい
長時間のデスクワークで斜角筋・小胸筋が硬くなり、神経・血管が締め付けられるため。
肩こりとTOSの症状が混ざりやすい理由
胸郭出口症候群は筋肉の硬さと神経圧迫が同時に起こるため、肩こりとしびれがセットになりやすい疾患です。
-
肩甲骨が前に引っ張られ(巻き肩)、肩こりが悪化
-
斜角筋が硬くなり、神経を圧迫してしびれが出る
-
首〜肩〜腕にまたがるため、部位が曖昧で“なんとなく肩こりだと思ってしまう”
そのせいで、実は神経症状なのに湿布やマッサージで様子を見るだけになりがちです。
TOS患者に多い“日常動作のクセ”
-
パソコン作業時に肩がすくむ
-
スマホを胸のあたりで持ち、首が前に出る
-
荷物をいつも同じ側で持つ
-
座ると骨盤が後傾し、猫背になる
-
呼吸が浅く、胸が開いていない
全身のバランスを整える重要性
日常生活の中で長時間、姿勢が乱れているケースは非常に多く見られます。たとえば猫背姿勢、足を組む癖による左右の肩の高さの違い、重い荷物を持つときに肩をすぼめてしまう癖など、胸郭出口症候群が起こりやすい状態が無意識のうちに作られています。
私が施術の中で特に印象に残っている気づきがあります。胸郭出口症候群の症状があると、多くの施術家は首や胸周り、しびれが出ている部分の筋肉にフォーカスしがちです。代表的な部位でいうと、斜角筋・小胸筋・大胸筋・肋骨・胸骨などです。しかし、こうした部位を丁寧にケアしても改善しないケースがありました。
そこで発想を変え、骨盤・股関節・足といった“全身のバランス”に目を向けてみたところ、症状が大きく改善したのです。この経験から、胸郭出口症候群といえど、症状の出ている部分だけを見ていては根本解決にはつながらないと実感しました。それ以来、一般的な胸郭出口症候群の検査だけでなく、姿勢・バランスの検査も必ず行い、全身のつながりを分析するようにしています。
施術家でも見落としてしまうところ
他の施術家が見落としがちな点として、「肩周りだけを施術して終わってしまう」という傾向があります。もちろん部分的なアプローチが必要な場面もありますが、身体のバランスが崩れている状態では、どれだけ施術をしても再発してしまいます。症状以外の部位、特に骨盤・股関節・足といった“身体の土台”を整えることが、長期的な改善には欠かせないと考えています。
もうひとつ重要なのは、日常生活と施術の関係性です。腕に自信のある施術家ほど、施術そのもので何とかしようとしがちですが、日常生活で負担をかけ続けてしまうと、施術効果が相殺されてしまいます。特に女性では荷物が多い、子育てによる抱っこなど、腕や肩に負担がかかる場面が非常に多く見られます。こうした動作をできる限り負担の少ない方法で行うことが、症状の改善と再発予防には不可欠です。
たとえば、バッグを片側にだけ掛けないこと。片側だけに掛け続けるとバッグが落ちないように肩を上げてしまい、胸郭出口症候群を助長してしまう可能性があります。同じように抱っこも片側だけで行わない、あるいは第三者に肩が上がっていないか確認してもらい、必要に応じて力を抜くなどの工夫が必要です。肩が上がらないように力を抜く、これが胸郭出口症候群を解消に導くための一歩目です。
胸郭出口症候群は、“部分ではなく全体を見る視点”と“施術と日常生活をセットで整える考え方”が重要であると、私は強く感じています。
胸郭出口症候群セルフチェックリスト
以下のうち 2つ以上当てはまる方は施術対象です👇
-
腕を上げるとしびれ・だるさが増す
-
小指側〜肘のラインにしびれが出る
-
肩が無意識にすくんでいる
-
夕方に症状が悪化しやすい
-
スマホ操作・デスクワークで悪化する
整体院拓 太白院の施術
「焦らず施術を受けて頂ければしっかり効果があります」
〇何を見て来院して頂いたんですか?
(紹介、HP、チラシ等)
インターネットの検索でホットペッパーさんのサイトを見て来院しました。
〇来院される前はどんな症状でお悩みでしたか?
主に左腕のしびれ、あとは首と肩のこりですね。特に左腕の痺れというのが最近、発生してきて困っていたので、良くして頂こうと思って来院しました。
〇お悩みを解決するためにどこかに行かれてきましたか?
(他の整体院に行っていた等)
近所の整形外科の方に最初伺いました。そちらの方でですね、2~3回通ったんですけどもあまり改善が見られなくてですね、整形外科とは別のアプローチということで整体の方に通ってみようかなと思いました。
〇他の院と当院では何が違いましたか?
そうですね。アプローチの方針が少し違うかなというふうに思いまして、整形外科さんの方では主に直接的な症状の緩和にむけて痛いところへの処置だったり薬の処方だったりということが多かったんですけども、こちらの方だと根本的な原因を改善しようということで患部の症状の緩和だけではなくて、例えば体の歪みだったり、姿勢の改善といった根本的なところからアプローチ頂くというところが違いを感じました。
〇施術を受けられてどのような変化がありましたか?
大体2ヶ月ほど経った時点で当初の痺れは消えました。また頚とか肩のこりっていうのもかなり緩和されて日常生活もですね、すごく楽になったなという体感はすごくありました。更にそういったものが再発しにくいように正しい仕事中の姿勢ですとかというのもアドバイス頂けたので本当に日常生活を送るなかでもすごく体が楽になったという変化は感じました。
〇同じような症状で悩んでいる人に向けて一言メッセージをお願いします
焦らずですね、じっくりと施術を受けて頂ければしっかり効果があるんだなというふうに感じております。日常生活での姿勢ですとか体の歪みといったところも改善されて首のこりとか肩のこりとかに悩むことも減るんじゃないかなというふうに感じてますので、どちらかといえば時間をかけてでもじっくり確実に施術をしたいという方にはお勧めなんじゃないかなというふうに思います。
(T.S様 40代 男性 仙台在住)
※効果には個人差があります
当院の整体アプローチ
▼まずは原因を特定する検査
-
姿勢(写真撮影)
-
動作解析(骨盤、背骨、股関節、筋肉など正常に動いているか確認)
-
肩甲骨の位置と可動域
- 呼吸など胸郭の動きをチェック
-
胸郭出口症候群に関係する神経検査
→ 「どこで神経が圧迫されているか」を徹底検査
▼施術
-
骨盤周辺の筋肉のコリをリリース(骨盤の傾き方でアプローチする筋肉が変わる)
-
必要であれば股関節や足の関節を調整してバランスを整える
- 斜角筋、小胸筋、大胸筋、三角筋前部など猫背の原因となる筋肉のコリを取って行く
-
胸郭出口症候群に関係する神経検査をもとに対象となる筋肉のコリを施術する(肩甲骨・肋骨をなど胸郭の可動改善)
▼ポイント
症状のある部分だけでなく身体全体のバランスを調整します。
肩こりだと思っていたが小指側のしびれが悪化した方
40代女性/仙台市太白区/デスクワーク
主訴:
・肩こりだと思って放置していたが小指側のしびれが強くなってきた
・首〜肩の疲労感が夕方に悪化
・細かい作業時に指の感覚が鈍い
・整形で湿布・ビタミン剤処方のみ
初回来院時の状態:
・首が右に傾く(子供の頃に斜頸があった)
・デスクワーク姿勢(首前傾・猫背気味)
・いかり肩(肩に力が入り常に上がっている)
・左の骨盤が上がり、荷重バランスが崩れている
・足首〜股関節の連動性が低下し上半身への負担が増大
→ 鎖骨下と斜角筋での神経圧迫が疑われた
当院での施術方針:
✔ 首〜鎖骨下の神経通路を解放
✔ 肩甲骨の可動域改善で巻き肩を改善
✔ 骨盤〜股関節の連動性調整により姿勢の軸を修正
✔ 足部(アーチ・踵周囲)の調整で荷重バランスを安定
✔ 鎖骨、胸骨、肩甲骨が連動して動くように調整
経過:
施術7回目の段階で
→ 小指側のしびれが軽減
→ 肩の重だるさが減少
→ 正しい座り姿勢を指導したら肩がすくみにくくなった
→ 仕事中の指の感覚が安定しミスタイプが減少
さらに継続することで
→ 夕方のしびれ悪化が徐々に消失
→ 肩こりとしびれの混在症状が軽減
→ 無意識の姿勢が変わり再発防止へ
※効果には個人差があります。
整体院拓 太白院の考察
この方のポイントは「斜角筋と鎖骨下で起きている神経圧迫をどう解放するか?」でした。
ブロック注射や痛み止めだと、確かにその時は良くなるんですが、しばらくするとまた戻ってしまう…その“改善の頭打ち”に悩んでおられました。また、小さい頃に斜頸があったとのことで、見た目ではもう気にならないレベルでも、触ってみると斜角筋や胸鎖乳突筋がかなり硬くなっていました。
首だけではなく、骨盤や足部を含めて全身のバランスを整えていくことで、結果的に首周りの負担が減り、しびれも落ち着いていきました。しびれが出ている場所と原因の場所が違う、というケースは意外と多いです。👉 [仙台市太白区┃整体院拓の胸郭出口症候群の改善事例のまとめページはこちら]
施術風景を動画でご紹介
胸郭出口症候群は体の土台である骨盤がとても大切です。姿勢や骨格のバランスを整えて体が連動して動くように施術しています。仙台市太白区長町にある整体院拓の骨盤矯正の方法と院内風景をご紹介します。
よくある質問(胸郭出口症候群)
Q1. ブロック注射後でも整体を受けて大丈夫?
A. はい、問題ありません。
注射の効果が落ち着くタイミング(数日〜1週間)での施術が最適です。
むしろ痛みが緩和している今は、根本原因である
姿勢・筋緊張・神経圧迫を整えるチャンス です。
Q2. 注射と整体はどちらが良いの?
A. 症状の段階によって使い分けるのが理想です。
-
急性期 → ブロック注射で炎症と痛みを抑える
-
慢性的・姿勢由来 → 神経圧迫解除・姿勢矯正の整体が有効
当院では医療機関との併用相談も可能です。
Q3. 服装はどうすればいい?
A. Tシャツなど鎖骨・首・肩が動かしやすい服装がおすすめです。
着替えも用意していますので仕事帰りでもOKです。
まとめ
胸郭出口症候群では、肩こりとしびれが同時に現れやすく、特に“小指側のしびれ”や“腕を上げた時の悪化”は重要なサインです。
肩こりと混同すると改善が遅れるため、しびれが続く場合は専門的な評価が必要です。“肩周りの筋肉ケア+姿勢改善+神経の通り道の確保”が回復の鍵となります。
この記事の監修者の紹介
石倉拓哉(整体師・院長)
仙台市太白区長町「整体院拓」院長。国家資格保持。胸郭出口症候群に専門的に対応し、施術歴20年以上。メディア出演多数、健康セミナー講師経験あり。
詳しい活動内容
柔道整復師・カイロプラクターとして20年以上の施術経験を持ち、 ラジオ出演やメディア掲載も多数。 同業者からの推薦も多く、技術指導や外部での健康セミナー講師も担当。 2024年・2025年には東北ビューティーコレクションにて、 ランウェイ出演者への姿勢指導を担当。 「症状の原因にアプローチする施術」を重視し、 根本改善を目指すスタイルで多くの口コミをいただいています。
12月8日までに
\ ご予約の方に限り /
根本原因改善
整体コース
初回2,980円(税込)
※初検料1,620円+通常1回6,600円
=8,220円
予約多数のため先着10名様のみ
→ あと3名
※全て税込価格
| 店舗名 | 整体院 拓・太白院 |
| 営業時間 | 月・火・木・金 10:00~14:00/16:00~20:00 水 16:00~20:00 |
| 定休日 | 日曜・祝日 |
| 住所 | 〒982-0011 宮城県仙台市太白区長町7丁目19-34 TPCビル1F(ザ・モール仙台長町店の向かい側) 【MAPはこちら>】 |
| 交通 | 地下鉄南北線「長町南」駅 徒歩5分 |
| 駐車場 | 店舗前3台あり |
| 電話番号 | 022-308-3058 |







